鼻をシリコンプロテーゼで整形した話(後編)

美容整形

いよいよ手術

手術に際して色んな書類に目を通して(看護師の方から説明もありました)サインをします。

お化粧を落として、いざ手術台へ。
うん、大丈夫…って思ってたけど、
いざ寝ころぶと、心臓が勝手にアスリート並みに頑張り始めた。

先生の説明は完璧だったし、納得もしてた。
だけどね、部分麻酔って聞くだけで、なぜか脳が緊急事態扱いするの不思議。

麻酔は何本かプスプスっと。痛みはなくても、「何かされてる感」はしっかり届く。

で、始まりました――ゴリゴリタイム。

目と目の間、鼻の付け根あたりを、
遠慮ゼロで削られてる音と振動。
頭蓋骨まで響くゴリゴリ感、これはもうホラーBGM。

でも途中で先生が言ったんです。
「半年前に入れたヒアルロン酸の残りを削いでますねー」って。

え、そこからかい!
思わず「先生、それ早く言ってよ〜」って言いそうになったけど、心の中で感謝しながら、
「よろしくお願いします…!」って小さく宣言。

怖いけど、
ヒアルロン酸が残ってたらプロテーゼが浮くって聞いたら、そりゃあゴリゴリもやってもらうしかない。

シリコンプロテーゼを挿入

ゴリゴリが終わったと思ったら、
次はいよいよ――シリコン挿入。

何やら先生が、シリコンの長さだとか高さだとか、あれこれ細かく調整している様子。
確か、「もう少し高さを抑えた方が似合いそうだね」みたいなことを看護師さんと話してた……気がする。

でもごめんなさい、なにせ記憶は20年物のヴィンテージ。
細かい会話までは正直覚えてない。

ただ、先生がめちゃくちゃ真剣に私の鼻の“ベストバランス”を探ってくれてたことだけは覚えてる。
まるで彫刻家のような集中っぷりだった。

そして無事に手術が終わって、いざ鏡を見たら――

うん、想像の100倍、腫れてた。

顔の中心がパンッ!と腫れあがって、
なんというか…半魚人。

正面から見ると、まるで魚。
魚を真正面から見てる感じ。本当にがく然とした。

腫れると聞いてたけど、漁人になるなんて想像してなかった。

術後の帰宅時の変装

まずは鼻のギプスや腫れを隠したい。「これが私の新しい鼻…じゃないよね!?」と半泣きで鏡を見つめたあと、
私は、静かに決意した。

そうだ、もうこれは変装レベルの完全防備で帰るしかない。

帽子を深くかぶり、サングラスをオン。
さらにマフラーをぐるぐるぐるぐる……ぐるぐる巻きにして、
顔の出る余地をできるだけ削減。

季節は12月の年の瀬で、しかもクリスマスイブに“変装女”として帰宅した。

心の中では、
「絶対誰にも会わずに帰る…!」と祈りながら、
コンビニにも寄らず、まっすぐ家にダッシュ。

帰宅して鏡の前に立つと、改めて思った。

「……よし、誰にもバレてないはず(?)」
(バレてないと思いたい)

ダウンタイム

ダウンタイム、想像以上に辛かった。

2週間はほぼ引きこもり生活。
もともと正月休みと合わせてお休みをとっていたから、なんとか乗り切れたけど、
実際に腫れがしっかり引いたのは、3~4週間後。

もしかしたら、私の場合、あのゴリゴリ作業が特に念入りだったから、
回復にも時間がかかったのかもしれない。

とにかく、顔が腫れてるうちは鏡を見るたびに「これ一生戻らなかったらどうしよう」という不安が襲ってきて、
夜な夜なネットを検索しては不安と戦ってた。

そして、外出できるくらいにはなったものの、
さすがに周囲の目は気になる…。

そこで私はあらかじめ作戦を立てていた。

「階段から落ちたことにしよう」作戦。

顔の腫れやアザを見られても、
「うん…ちょっとね、階段から……」って言えば、
「ああ〜大変だったね〜!」で済む。たぶん。

あれから20年――
あの時の顔を見た人たちは、いまだに私が段差に弱い女だと思ってる…かもしれない。

でも、整形だってバレてないと思う。たぶん。たぶん…!

鼻のギプス

そういえば、術後はギプスをつけてました。
鼻の上に、しっかりと。

あれがまた、なかなかの存在感。
正面から見ると「え、それギブス?」と聞かれるレベル。

でも、これも美しい鼻への通過儀礼。

本当の仕上がりが分かるようになったのは、
だいたい3ヶ月後くらいでした。
それまでは、ちょっとずつ腫れが引いて、鼻筋も定まってきて、
「お? いい感じかも…!」という期待と不安の中間で揺れていた感じ。

そして――3ヶ月後。

鏡に映る自分を見て、私は言った。

「……うん、これ、理想の私だ。」

正直、大満足でした。
あのとき決断してよかったなって思えた瞬間でした。

でも、繰り返します。

本当に本当にダウンタイムが大変だった!!(強調)

だからこそ、ここで一つアドバイスを。

もしこれから、シリコンプロテーゼや軟骨を入れる手術を考えている人がいたら、
ぜひ伝えたい。

「手術の数ヶ月前にヒアルロン酸を入れるのは、ほんっとーにやめておいた方がいいです。」

私があんなにゴリゴリされたのは、
半年前のヒアルロン酸がまだ残っていたから。
それを削って、整えてからじゃないと、
シリコンが綺麗に定着しないそうなんです。

美しくなるための努力は尊いけれど、
順番は、とっても大事。

えっ!?豚鼻が出来ない‼️

これは術後、かなり時間が経ってから気づいたことなんですが――

豚鼻が、できなくなります。

そう、指で鼻を下から押し上げて「ブヒッ🐽」ってやるアレ。
ちょっとふざけた時や、飲み会の余興で何となくやる、あの動き。

でも、シリコンが鼻に入ってると、これが物理的にできない。

まさか豚鼻がシリコンにブロックされる日が来るとは思ってなかったので、
最初は「え? え?」って自分でもちょっと笑ってしまいました。

ちなみに、それで日常生活に困ることは一切ありません。
正直、豚鼻ができなくて困るシーンなんて人生で数回あるかないかですし。

でも、ふざけたノリが好きな人や、リアクション芸に命を懸けてる人は、
一応注意しておいた方がいいかもしれません(笑)

鼻の施術を考えている人へ――
どんなに美しくなっても、豚鼻が恋しくなる日が来るかもしれません。

…なんてね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました